ムシカ・クリオジャとは
ペルーの音楽ではアンデス地方の先住民音楽フォルクローレが有名ですが、これに対しスペインとアフリカの伝統を持ちリマを中心とする海岸地域で誕生したのがムシカ・クリオジャ。(クリオジャとは、南米生まれのヨーロッパのものという意味)
隣国のエクアドルやチリと同様ペルーにも黒人はわずかしか住んでいないのですが、そのわずかな黒人はリマ周辺に集中しており、 彼らがアフリカから持ち込んだ楽器や音楽がインディへナやヨーロッパの音楽と混じり合うことで形成された音楽です。
ムシカ・クリオジャの演奏スタイル(ジャンル)には様々なものがあり、ヨーロッパ的要素の強いワルツ、ポルカ等や、トンデーロ、マリネーロ、またカホンに象徴されるようなアフロ色の濃いムシカ・ネグラまで・・・ つまりアフリカとヨーロッパの伝統が混じり合いペルー海岸地域で生まれた音楽全般を総称してムシカ・クリオジャと呼びます。
ムシカ・クリオジャがポピュラーな音楽としてペルー中に広がったのはラジオなどのメディアが発展した1940年代。 1944年には「10月31日は ムシカ・クリオジャの日」と定められ、ペルーではこの日は祭日で毎年様々なクリオジャ・フェスティバルが開催されています。
ムシカ・クリオジャの代表的アーティスト・有名曲紹介
ペルー・ネグロ
1969年に結成されたアフロペルー音楽の名門グループ。2000年代にはグラミー賞にもノミネートされています。
マリア・イザベラ・グランダ(1920-1983)
「ラ・フロール・デ・ラ・カネーラ」「フィーナ・エスタンパ」「ウナ・ラルガ・ノーチェ」といった有名曲を作った南米屈指のコンポーザー。チャブーカ・グランダという愛称で呼ばれ、歌手としても活躍しました。
カルロス・カイトロ・ソト(1934-2004)
上でご紹介した チャブーカ・グランダのパーカッション奏者であり、ペルー・ネグロのオリジナルメンバーとしても活躍したアフロペルー音楽の最重要人物の一人。
スサーナ・バカ
世界的にも人気が高くラテングラミー賞を3度受賞、また2011年にはペルーの文化大臣に任命されるなど幅広い活動でも知られる、現代アフロペルー音楽を代表するアーティストの一人。